書類は、キチンと読もうね

おもいで

だいぶ前のお話。数十年前になるのかな?

小さなこじんまりとした賃貸住宅に住んでいた私。少し古くて、冬はすきま風で凍えるコトもあった。
しかし日当たりはよいし近所の商店街がすきだったので、できるかぎりそこに住んでいたいなあと考えていた私。

同じ建物に住む方々とは、すれ違えば会釈したり季節のごあいさつをするような関係。私よりも長く住んでいる方が多かった。

ある年の契約更新のトキに、管理会社から「そう遠くないうちに、オーナーさんは取りこわして戸建て住宅を建てるかもしれない」と聞いた。

まあ、賃貸住宅。オーナーさんの意向により、引っ越す可能性があるのは承知していた。逆にナニカあったトキに身軽に動けるのも、賃貸住宅のよさ、私はそう考えていた。

取りこわすかもしれないという話は、住人のみなさんにも徐々に知らされた。それからは、すれ違えば会釈だけではなく新しい情報を知っているか立ち話。

ある日、インターホンがなった。

下と、上の階に住む方々。とてもあわてている。

「ポストにこんなお知らせが入っていて、二ヶ月後に取りこわしなんてきいてないですよね??」

そのお知らせは、2週間ほど前にポストに入っていたモノ。

ご近所の畑を集合住宅に変える工事のお知らせ。

なぜ、いま??
お知らせをよく読むと、近隣のみなさまには騒音などご迷惑をかけるけどよろしく、的な文章の書類。
また、工事の現場の地図、住所もはっきり記載されている。

そのコトを、丁重に説明した私。

「あ~、そうなんだ!よかった~!!」と安心したようなみなさん。
たわいもない雑談をして、わかれた。

なんの不満もないけれど、書類をキチンと読めばすんだお話。
またもし私が疑問をもったのなら、ご近所さんよりも先に管理会社に聞いたかな…。

その後、取りこわしになる前に引っ越した私。その後、どうなったのだろう。

みなさんも、あの賃貸住宅に愛着があったのかな、という、たわいもない思い出話。

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