五感から、ふと「あのコロ」がよみがえるコトがある。
木の切り株の香り。なつかしい。小さいコロの家族旅行を思いだす。避暑地の森でのお散歩。
私が10代から結婚するまで、大好きで大好きで大好きな音楽家がいらっしゃった。いや、過去形ではない。幸い、いまでもリアルタイムできくことができる。
結婚後、日常にうもれて離れてしまった。
しかし数年前に、あなたがその音楽家に興味をもってくれてから、私の情熱は復活した。当時の曲から離れてしまった時期の曲まで、あなたと楽しくきいている。
当時の曲をきくと、その瞬間に「あのコロ」がよみがえってくる。夢や希望や無茶や野望にあふれかえっていた日々。キラキラしたあのコロ。
いまだって、夢や希望や無茶や野望はある。いまだって、キラキラした毎日。
しかし自分のコトだけ考えていたあのコロから成長し、自分よりも大切なコトをみつけた私。
やはり「あのコロ」のワクワク感は、特別。
あなたとはじめて、その音楽家の演奏をききにいった日。
あなたは楽しそう。なんだか、うれしい。私のお気に入りを一緒に楽しめる幸せ。
途中、思いもよらない なつかしい曲がはじまった。
私の「あのコロ」が、おりてきた。あのコロの私くらいの年齢のあなたと、いまここにいる不思議。
「この子は?」
一瞬、横にいるあなたが誰だかわからなくなった感覚。でもとても幸せな気持ちでいっぱい。
すぐに、現代に戻った私。
あのコロの私に、紹介したい。
「この子は、私たちの宝ものだよ」

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