なんとなく、思いだしたお話。
数年前、母方の伯父が旅だった。母の突然の旅だちを、なかなか認めたくなかった私。母の持っていた母方のご実家に関するモノを、伯父が引き取ってくださった。
私は少しずつ片づけて、伯父は少しずつお持ち帰りになる。その方がお会いできる回数が増えて、なんとなく、うれしかった。
片づけが終わりしばらくして、伯父の病が発覚。余命宣告。できる治療はない。即入院。もう、自宅には帰れない。
とてもとても信じられなかった。
伯父には、余命のお話はしないコトに。
奥さま、お子さまは多忙。そして伯父は、よそさまにご迷惑をかけるコトを避けたいとお考え。
ありがたいコトに、私をお見舞いや雑用のメンバーに入れてくださった。私にできるコトは、かぎられている。しかし、光栄だった。
お見舞いに行くたびに、体力が落ちていく伯父。ツラい気持ちでいっぱいだったが、伯父は回復を信じて日々がんばっていらっしゃる。
私も、伯父との貴重な時間を大切にしよう。
伯父に最期にお会いした日。頼みゴトをされた。
「あなたは探しモノが得意だから、なくした水色の巾着をみつけてほしい」
そのコロの伯父は、夢と現実がときどきわからなくなる。水色の巾着は、夢の中の持ちものだと思われる。
しかし、そうとは言えない。
「私、病院で巾着をみていないからおうちにあるのでは?」
「そっか。なくしていないのなら、よかった」
なぜ、私は探しモノが得意とおっしゃるのか。夢と現実がときどきわからなくなるから、その影響なのかな。
しかし、なんとなく、このコトバは私の中に深くきざまれた。
トキはすぎ、つい数日前。
あなたが家を出てすぐに、お気に入りのハンカチを落としたと連絡してきた。気づいた場所から考えると、わが家の近くにあるはず、と。
すぐに探したが、みつからない。
風も強くふいていた。あなたは、あきらめた。
それから数日後。
ハンカチは、近くの植木の枝に絶妙なカタチでひっかかっていた。そこは、当日に探した場所。
数日すぎて、風も強かったのに。なぜ?
損傷はない。まあ、よかった、よかった。
そして、当時の伯父のコトバを久しぶりに思いだした。
伯父が見つけてくださったのか。
私は探しモノが得意なのか。
どちらにしても、伯父のおかげでハンカチは見つかった。

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