いつだったか。
遠い、遠い昔のたわいもない話。
学生時代や若いコロ、誰かの家に集まり一晩中遊ぶコトがよくあった。
私は実家暮らしだったけれども両親、とくに母親が理解があり友人をよぶコトは多かった。
携帯なんてない時代。いま思えば、自分の子がどこにいるかわからず一晩中遊んでいるよりは、家に来てもらったほうが安心だったのかもしれない。
しかし逆に、私が誰かの家に遊びに行くコトにもイヤな顔をされたコトはない。むしろ、楽しんでねと、送りだしてくれていた。
いま思えば、本当にありがたかった。
基本的には、友人たちと一緒に食材を買ったり飲みものを選んだりしてからわが家にむかう。または、友人の家にお邪魔する。
人数が多ければ多いほど楽しいが、飲食の嗜好はヒトそれぞれ。量も種類も増えていく。
買い物も終わり、全員集合。
パーティー開始!
そのヒトは、自分で選んだモノは自分ひとりで食べようとしていた。
ま、食べかたも飲みかたも自由でいいのだけど。いつもは、みんなで分けあいながら楽しんでいた。
「はい、これ買っていたよね」
私がお店で選んだモノを渡された。
「あ、この前みんな食べていたから。私、(アレルギーで)食べられないんだ。みんなで食べて」
涙をながしながら大爆笑された。
「ハハハハ~。食べられないくせになんで買うかな~」
そう笑い、そのヒトは私が選んだモノをひとりじめ。
いつからだろう。思えばそのヒトは、集まりによばれなくなった。いまどこでどうしているか、だれも知らない。
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