電車のなかで~席

日常

私が若かったころ、電車のなかはイヤホンで音楽を聴く時間だったと思っていた。

今、電車のなかは、よい社会見学の時間だと思っている。せっかくたくさんの人間観察ができるのに、音楽を聴いていたらもったいない。あやしいほど、キョロキョロしているかもしれない。

路線により、座りたいヒトの圧が違う。

駅のホームでキチンと並んで、そのまま順番通り空席に向かう路線。

駅のホームでキチンと並んで、車内に入った途端に早い者勝ち文化の路線。

駅のホームでキチンと並ばずに、とにかく早い者勝ち文化の路線。

とある路線のできごと。私はすでに乗っていて座っていた。停車駅でドアがあくと、ほどよい雰囲気のマダムが勢いよく乗ってきた。たった一つの空席を指さしながら大声で「そこー!私が座るから!!」
まわりのみなさんは圧倒され、そのマダムは座れた。

ちなみにその路線はあまりおだやかな印象がない。小学生くらいの子は席ををゆずってもらえるものと思いこんでいる親が多い。「今日座れないね~」「疲れたね~大丈夫?」「揺れてあぶないからここにしっかりつかまって」態度も声大きいから絶対にゆずらないぞと、思ってしまう。それ以降、その路線に乗ったときはすぐに寝たふりをするようにしている。

もちろん、ほんとうに座るべきヒトには、座っていただく。

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