数年前の私。
旅立った両親の荷物を片づけていた。
母の荷物は、母の意向を聞いていた父が中心になって仕分けていった。
可能であればなるべくひとつでも多く残しておきたい。モノを通して母を感じたい。
しかし…母の荷物はあまりにも多すぎる。母が小学生のトキに書いた絵などもたくさん出てきた。
さすがにきりがない。
「お世話になりました」
「引っ越しで片づけて、持ってきたそのトキの母が幸せだったからありがとう」
そのように自分を納得させながら片づけていった。
母の荷物を片づけていたトキ、父もそれなりに自分の荷物を整理してくれていた。あとから思うと、本当に助かった。
「この部分の荷物はオレがいなくなったら全部処分していいからね」
そう言って荷物をまとめていた父。
残念ながら父の荷物を片づけなければいけないトキがやってきた。
全部処分してと言われたエリアも、みてしまえばいくつか拾ってしまう。
特に昔の写真、すぐに捨てる気持ちにはなれなかった。
しかしスペースの問題と期限があった。
私は迷いもなく、私の荷物を片づけていた。私の荷物の場所に両親の荷物を運ぼう。
私が片づけないと、いずれ、あなたが私の荷物を片づけるんだ。
私の昔の写真や荷物を、かなり処分した。
後悔はなかった。
しかしそれ以降、両親の荷物には手をつけられない。両親の昔の写真も、そのまま。
このまま放置したら将来的に、あなたは私の昔の写真ではなく、私の両親の昔の写真を片づけるコトになる。
さて、どうしたモノか。。。
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