私は、下の名前を呼びすてにする風習になじめなかった。
苗字の呼びすても、いい気分はしない。しかし、下の名前を呼びすてにされるのはとてもとてもイヤだった。
ヒトの名前を呼びすてにするコトも、すごくすごくイヤだった。
みなさんが下の名前を呼びすてにしてワイワイやっている場でも、かたくなに敬称をつけたりしていた。
ノリが悪いなあと、イヤそうな顔をされてもかえられなかった。
私のメンドーなこだわりかもしれない。
しかし、かえられなかった。
私が自分の下の名前がキライだから、ではない。
私は下の名前、とてもとても気にいっている。
なぜだろう。
少し調べて、少し考えてみた。
どうやら私のニガテな「たたかい」がからむのではないか。
目上のヒトを呼びすてにするコトは、いっさいない。
同等の立場か、目上のヒトが目下のヒトを呼びすてにする。
主従関係、とらえられた奴隷。
奴隷に名前があったのか、よくわからない。しかし、命令や指示を出すトキに敬称をつけるとは思えない。
すばらしい功績を残したり立派な人格者は尊敬する。
しかし、それは人間に上下関係や優劣をつけるモノではない。
その部分に私は、無意識の、素の無の違和感を感じていたのだ。
スッと腑におちた。
そうだよね。「お客さま」にむかい「客」と呼ぶコトはないし、不特定の相手には「あなたさま」と、いうよね。
そう、だから私はあなたを呼びすてにしたコトはない。
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