エラそーに書いてしまいますが、仕事ができないアイツ。あ、フレンドリーな皮肉。アイツとは仲良しだったから、大丈夫。
ある日の業務。
「組み立て式の棚を作ってください。今回使ったあとには、またバラして片付けるので、後日解体作業もお願いすることになると思います」
このような指示を受け、工具と取扱説明書を持ち、アイツは組み立て前の棚が置いてある部屋に入っていった。
私はとなりの部屋で別の業務をしていた。
五分に一度くらいのペースで、となりの部屋からにぎやかな音が聞こえてくる。
「ガッシャーン、ガラガラ」「ドンドンドンドン」
見にいくと、組み立て説明書がよくわからないので自分で考えて作業しているがうまくいかないという。説明書を見せてもらった。あ、残念、これは説明書ではない。納品書と一緒に入っていた何かの広告。
やっと説明書を手にしたアイツ。にぎやかな音は聞こえなくなった。
時間はかなりかかったが、棚は完成。見た目は問題ない。
後日、解体作業。日程の都合上、アイツではなく別の方が解体することに。
「解体できません。。。ネジがかたすぎます。あと、ネジ山がこわれているのもたくさんあります」
組み立てるときに、ガタガタしないように力いっぱいネジをしめたらしい。
アイツ、ネジこわした。
フォローするわけではないけれど、アイツは悪人ではない。使うときにガタつかないように、一生懸命作業したんだ。
解体できなくなった棚は、部屋のすみっこに置かれ、次の出番を待つことになった。一年に一回、あるかないかの出番を。
その後、アイツは、、、、、ネジを使う業務を依頼されることはなくなった
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