少し前の時代。
荷物を運んでくださるお兄さん。
それぞれの宅配便のお兄さん、わが家にいらっしゃるお兄さんはいつも同じ方たちだった。
そうすると、顔見知りになっていく。
差し障りのない、プライベートなお話をしていたお兄さんもいらっしゃる。
応援しているスポーツのチームが共通だったり、年末年始の話題から出身地のお話になったり。
私が道を歩いていたら車から声をかけられて「今日、夕方荷物を持っていきますね~!」と言われたり。
私の両親と私は家が近かった。そのコトも、宅配便のお兄さんたちはご存知。
両親の家に私がいて、私が両親あての荷物を受けとったコトもあった。
なんとなく、こういったささやかな交流が好きだった私。
だからこそ、少し悲しい思い出もある。
私の母が突然旅だった。そのコロ。
私は実家にいる機会が増えた。母の旅だちを知った方々から、宅配便でお気持ちが届く。
いつもの配達のお兄さんたち。いつも私が実家にいるコトや、包み紙やお悔やみの花が届くコトで、ナニカを察する。
いつも、明るく元気に雑談をしていたがさすがにコトバがない。
私も、明るく話せる時期ではなかった。
そうしているうちに、配達のお兄さんたちが固定ではなくなった。
いろいろな方々が、荷物を運んでくださる。
置き配まであるいま。便利かもしれないけれど、お兄さんたちとの交流はない。
ささやかな交流がなつかしい。

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