いつだったか、どこの職場だったか。あ、あの職場か。
大きな段ボール、重い荷物を定期的に運んでくださる配送業者さんがいらした。
暑い夏も、寒い冬も、笑顔で運んでくださるお兄さん。
あるとき、会社からの指示だったのか営業として、母の日のお花の注文用紙をもっていらした。押し売り感は全くなく、よかったらみてください、と、謙虚に。
私は注文しなかったが何人かの社員さんは、あのお兄さんのお役にたつなら、と、お花を注文していた。お兄さんは、予想外の注文に大喜びされていた。
平和な、のどかな、いい関係だった。
あるとき、こちら側の人事異動があり、お兄さんと接するヒトがかわった。
そいつ、自分はブレブレで信念もみえず、とりとめもないヒトだったが、他人には厳しい。
ある日、配送業者さんの態度にぶちギレした。
自分が指定した(つもりの)置き場所から、ほんの90度、数メートル違うところに荷物をおかれたからだ。
さんざん文句を言い、お兄さんは平謝り。いや、そこまで謝らなくてもと思ったけど、仕事、営業って、そういうことなのかな、と、さびしく見ているしかなかった私。
お兄さんが帰ったあと、そいつ。
「あいつ、安物作業服ブランドのヨレヨレの服着て、汗だくで、なんなんだ」
お言葉ですが、、あなたも同じ作業服ブランドの服着て、同じくらい汗だくですよ。
お兄さんの汗は、青春のような、さわやかなキラリとした汗にみえた。
そいつの汗は、ノーコメントで。
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