父方の伯母の命日~八月十二日

両親

今から三十五年前、父方の伯母が旅立たれた日。

伯母は大正生まれ。一度結婚されたがおひとりに戻られた。女医さんだった。

父とは十六歳離れていて私は父が四十代のときに生まれているので、伯母は第一線からお仕事を離れられた後の印象が強い。

年を重ねられた祖母のそばにいつもいらした。父方の二男伯父一家と一緒に暮らしていらしたが、身のまわりのことはもちろん、気持ちの部分で祖母の大きな支えだったのだと思う。

祖母は九十代後半で旅立たれた。その後伯母は老人ホーム(のようなところ?その時代には珍しかったような??)に入られた。

わが家から車で二十分もかからないようなところだったので、私たちはときどき遊びに行っていた。

高校生のときの修学旅行帰りにお土産をお届けして父に車で迎えに来てもらおうと思い、伯母のところへ寄った。

もう暗い時間だった。突然大荷物で私ひとりが登場したので、伯母は家出をしてきたのかとびっくりされている。事情を話したら安心して歓迎してくださった。お土産はご先祖さまのお写真のところにお供え、最近買ったというキレイなお花の写真集(だったかな)を、見せてくださった。

おそらく、そのときが伯母と二人きりでお会いした最後。

しばらくして伯母は入院された。お見舞いにお邪魔すると、嬉しそうに歓迎してくださった。お見舞いに持っていったフルーツや、他のみなさんからのお土産を、ふるまってくださった。

細かな経過は忘れてしまったが(ごめんなさい)そのあと、あっという間に旅立たれた。

それから数十年すぎ、あるとき従姉妹からカメオを譲り受けた。祖母の形見として伯母がいただき、伯母から従姉妹に、そして従姉妹から私のもとへ。

私がいただいてもいいのかなと思ったけど、私を選んでいただいたようで、感謝の気持ちでいっぱい。大切にします。カメオも、大切ななにかも、ずっと、ずっと。

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