壮大な家出

良心

友人のお話。
離婚を決意して、十年越しに決行したお話。

具体的なことを書きすぎてまんまんがいち、ご迷惑をかけたら大変なので、少々伏せながら書くことにするね。

性格の不一致。生活習慣の不一致。

そもそも家庭内別居に近い状態だったらしい。配偶者の方とは、事務的やりとりだけ。お子さまは成人した女性と男性。

決意してから数年後、こっそり世帯分離。携帯電話やメールアドレスをかえた。大きなタンスなどは、小さな収納ケースにかえていく。いつでもすぐに運べるように。

公的機関から弁護士さん、探偵さん、夜逃げやさんに相談。

自分の身内や配偶者の親族には、計画を報告。配偶者の親族も、離婚に賛成で協力してくれたらしい。

お仕事がお休みの毎週土曜日、三時間だけ外出する配偶者の方。

その三時間で、家出(お引っ越し)。昼間だけど夜逃げに近い状態。一人暮らしを配偶者の方に反対されていたお子さまたちも、同じタイミングで家出。
かなりの荷物がなくなり家はがらんとしている。「探さないで」と置き手紙。

無事、家出完了。

さて、配偶者の方は、どうするか。

職場に来たら…
親族のところに連絡するか…
お子さまたちの学校に向かうか…

友人は探偵さんに、それから一週間調査を依頼していた。

結果が届いた。

まずは家出完了直後。
外出先から戻り、一度家に入るがすぐに出てきた。向かった先は、レンタルビデオ屋さん。借りていたモノを返しにいった。

その日はそれだけで帰宅。

その後の日々は、同じ時間に出勤、同じ時間に帰宅。

家族を探している様子はない、という報告だったらしい。

親族に連絡するコトもなかったらしい。

その後、お互い弁護士さんをたてて、離婚にむけて動いている。
離婚が成立する別居期間を指折り楽しみに待っている友人。ストレスのない日々はスバらしいという。たしかに表情は、かなり明るくなった友人。

どの家庭にも、それぞれのドラマがある。

友人もまた、なかなか他にはないお話に思える。

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