私の子どものころの思い出。細かいところの記憶はあやふやだけれども書いておきたい思い出。
ある年のこと、母方の祖父のお誕生日会がわが家で開催された。祖父のお誕生日会は、初めてのこと。イベントやお客様がいらっしゃることが好きな私はうれしくて、その日を楽しみに待っていた。
朝から母はあちらこちらへお買い物。ごちそうを作っている。いいにおい。午後には近所のケーキ屋さんへ丸いケーキをとりに行った。その当時には珍しかった二段ケーキだったような気がする。
夕方になり、祖父と母の兄弟三人(私の伯父)が、わが家にいらっしゃった。母には「今日のことはおばあさんには内緒なので、次お会いしたときには言わないでね」と念押しされていた。
前にも書いた、母方の実家は少し複雑。みなさんいろいろな方向に気をつかいながら表面的にはうまくやっていらしたけれど、このお誕生日会のことはおばあさんには知らせていない。その方がお互い、みんなによかったのだと思う。
今考えると祖父の七十七歳、喜寿のお祝いだったのかな。みなさん、楽しそう。伯父たちも今までみたことないくらい、盛りあがって話はとまらず、とにかく楽しそう。
おばあさんには仕事のあつまりかなにかということでわが家にいらした祖父。伯父たちより先に早めの時間に帰ることに。母は駅まで祖父をお見送りに出た。
その間に三兄弟さらに盛りあがっている。気づくと「よ~いドン」の声、みなさんで走って荷物を持ち出ていった。
戻ってきた母はビックリ。
台所ののれんはまだユラユラ揺れていてた。食べかけのお皿や飲み残しのグラスは散乱。
私は伯父たちのはしゃぎっぷりに驚いたけれども、楽しそうな伯父たちの姿を見たのは初めてでなんとなくうれしかった。親戚の集まりというと堅苦しいものと思っていたけれど、子どものころの気持ちに戻った伯父たちに人間味を感じた。
母は翌日、伯父たちにお説教の電話をしていた…はず。夜に私たち子どもを残し、挨拶もなく帰ったことをお説教。母は、もう少し兄弟との時間を楽しみたかったのかなと、最近気がついた。
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