どなたからお聞きした話だったかな。父以外のどなたか。
父は大学に入るときに両親のもとを離れて、二十歳ほど年が離れている長兄のおうちに住むことになった。長兄はすでに結婚されていてお子さまもいらしたので、にぎやかな毎日となったらしい。
父はこの時期はとても楽しかったようで、たくさんの思い出をよく話してくれた。
父が長兄のおうちに住みはじめた日の話。
東京から大学生がくる。長兄のおうちのご近所さんは、父がやってくることをたびたび話題にされていたとのこと。
当時の大学生は、下駄にヒゲ、いかついイメージの時代。
父が長兄のおうちに到着。ご近所さんが見にいらっしゃった。
そのとき長兄と父は、二階の窓から顔を出して、シャボン玉をしていた。小柄で幼い雰囲気の父。楽しんでいたのかなと、その光景が目にうかぶ。
ずいぶんかわいらしい大学生。
みなさんびっくりされたけれども、ほのぼのした空気が流れたという。
そのころ長兄は三十代後半。シャボン玉をやろうと言い出したのは父かな。長兄かな。当時はシャボン玉キットなどは売っていない時代だと思われる。そうすると、長兄の奥さまがシャボン玉の準備をされたのかな。
このエピソードも、私、大好き。いろいろと想像がふくらむ。
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