時は過ぎ、担任の先生の奥さま旅立ちの日から一年。ほんの気持ちばかりのお供えを送らせていただいた。
ご丁寧にお礼のお電話をいただいた。お声を聞いたのは、昨年秋にお会いしたとき以来。お元気そうでよかった。
そして久しぶりにお会いすることになった。
近況報告や例の高校がマイナス成長しているお話などなど。三人のお子さまたちと、仲よく暮らしていらっしゃる先生のこと。
先生が奥さまのことを思う気持ちはどんなに時が過ぎても変わらない。
ごぶさたしていたころ、精神的にとてもまいってしまったことがあったそうだ。お聞きした。
奥さまの旅立ちから四ヶ月後、奥さまのお母さまが旅立たれた。
その二ヶ月後、奥さまのお父さまが旅立たれた。
その一ヶ月後、先生のお姉さまのご主人さまが旅立たれた。
おおよそ半年で、先生は大切な身内を四人見送られた。三回も喪主をされたそうだ。さすがにキツくツラい時期だったとおっしゃった。
数十年間、奥さまのご両親とは同居されていた。歳をとり施設や病院に入られたが、そのお世話も先生がされていた。ご病気の奥さま、ご両親の三人のお世話をしながら、授業に穴をあけることなく、全力で生徒のために走りまわった先生。
どうして。先生のような方こそ、これから幸せになるべきなのに。
さらに先生の口から驚くようなお言葉が。
奥さまとの第一子は死産。第四子は流産。
何も言えなかった。言葉が見つからなかった。
つづく
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