おもいで

両親

父とシャボン玉

どなたからお聞きした話だったかな。父以外のどなたか。父は大学に入るときに両親のもとを離れて、二十歳ほど年が離れている長兄のおうちに住むことになった。長兄はすでに結婚されていてお子さまもいらしたので、にぎやかな毎日となったらしい。父はこの時期...
両親

秋の風

今年の夏は暑かった。九月に入っても、暑かった。数日前から、朝晩は涼しくなってきた。昼間の日ざしはまだまだ暑い。けれども、日かげの風はだいぶ涼しくなってきた。昨年まで、空を見上げたり道の草花を見たり風を感じたりしない日々だった。夏から突然ある...
両親

おいしそうな音がするね

父の言葉。母が旅立ちしばらくしてから、一緒に住んでいた。とてもとても狭いわが家。父に悪いかなと思ったけれど、楽しそうに暮らしていた。私たち家族も、毎日がよりにぎやかになり喜んでいた。そのころの私は、時間帯が不規則な仕事をしていた。終電で帰る...
日常

夏が終わる

今年の夏は身にも心にも、ステキな時間をたくさん過ごせた。思いもよらないうれしいお知らせがあった。長年あたためて育てていた作品が完成したという、父の知人からのお知らせ。作品をみせていただいた。あふれる優しさ、あたたかさ、なつかしさ。うれしい気...
たわいもない話

綿菓子

子どものころ、近所でお祭りがあると母がいつも連れていってくれた。小さな町の小さなお祭り。夕飯を食べてからお散歩というかんじで、すでにはじまっているお祭りを途中から見にいった。私が子どものころのお祭りは、まだまだのんびりした雰囲気だった。もち...